アーユルヴェーダ体質チェックリスト&バランス改善法のまとめ

ヨガを行っている男性




ここでは、自分の体質を知る上で大きな参考になる「アーユルヴェーダ」の体質分類について、その特徴と3つの体質のチェックリスト、さらに、自分の体調のバランスを乱す要因、整える方法についてまとめています。

その人の体質に合わせた、健康のための生活術、を知る一つの参考になるかと思います。

 

目次

インドの伝承医学アーユルヴェーダ

 

アーユルヴェーダとは

  • アーユルヴェーダは、インドの伝統医学。直訳すると「生命科学」、言い換えると「生きるための知恵」という意味。
  • インドでは、今もアーユルヴェーダを実践する医師は多く、医療の多くを担当しているようです。
  • 人間の健康は、3つのエネルギー=ドーシャのバランスによって成り立っており、そのバランスが崩れると不調や病気になって出てくると考えられている。
  • 人によって、生まれもったエネルギーのバランスは異なっている。だから、自分の体質に合わせて生活の仕方や心のもちようなどを整えていくことが大切となる。

 

ドーシャとは

  • アーユルヴェーダは、ヨーガ行者たちが瞑想の中で感じ取った「生命の知恵」から生まれたと言われている。
  • その知恵とは、宇宙のあらゆるものが3つのエネルギーでできている、ということ。そして、人間も同じエネルギーから成り立っているということだった。
  • このエネルギーが、3つのドーシャ・・すなわち「ヴァータ(運動)」、「ピッタ(熱)」、「カファ(結合)」である。

 

アーユルヴェーダの健康観と治療

  • アーユルヴェーダの考える健康とは、この3つのバランスがとれた状態のこと。
  • 本来、個人のドーシャは生まれ持ったその人それぞれの適切なバランスがあるが、そのバランスが崩れると不調や病気になって表れると考える。
  • 従って、アーユルヴェーダの治療では、このバランスを適切に整えることが基本となる。また、そもそもバランスが崩れないように、生活の仕方や食事などをその人に合ったものにする「予防医学」としての側面もある。
  • 対症療法でなく、病気の原因をその人の体質に即して考え、そこから回復のための方法につなげる、という特徴がある。
  • 本来のアーユルヴェーダの治療には、鎮静法と浄化法があり、浄化法は主に医療領域のもので、薬草やオイルなども用いて毒素を排出させる。鎮静法が生活の仕方や食事を整え、バランスを整える方法になり、慢性病の改善などに使われるということになる。

 

ヨガのポーズのイメージ

 

体質は大きく分けると7種類

 

先にドーシャは3つと言いましたが、個人の体質は、その組み合わせで大きく分けると以下の7種類になります。

  • ヴァータ体質・・ヴァータの割合が他の2つより高い(以下同じ見方)
  • ピッタ体質
  • カファ体質
  • ヴァータ+ピッタ体質・・ヴァータとピッタの割合がカファより高い(以下同じ見方)
  • ピッタ+カファ体質
  • ヴァータ+カファ体質
  • サマ体質・・3つのドーシャのバランスがほぼ均等

 

アーユルヴェーダ体質チェック

 

それでは、あなたがどの体質に当てはまるのかチェックしてみましょう。以下の項目から、当てはまるものを全てチェックしてください。合計した数でそれぞれのドーシャの強さを見ます。

 

ヴァータ

1.     子どものころからやせている。
2.     髪は乾燥してて、枝毛・切れ毛になりやすい。
3.     じっとしてるより、動いている方が好き。
4.     ものおじしないで、初対面でもフレンドリーに話せる。
5.     早口で、食べたり、歩いたりなどの動作も人より速め。
6.     どちらかというと便秘がち。
7.     肌はドライ系。冬はカサつき気味。
8.     手足は冷えやすい。
9.     季節では冬が苦手。
10.   元来寝付きはあまりよくない。夢の途中で目が覚めることも多い。
11.   目は小さめ。
12.   体力、持久力はないほうで、疲れやすい。
13.   食欲にはムラがある。
14.   汗はあまりかかない。
15.   好奇心や創造力は強いが、あきっぽい。

 

ピッタ

1.     どちらかといえば中肉中背。
2.     髪の毛はやわらかく、直毛。体毛は濃くない。
3.     いわゆる「仕切り屋さん」タイプ。
4.     チャレンジ精神は旺盛。しかし粘りはあまりない。
5.     口調は強め。
6.     お通じは規則的。下痢気味の時もあり。
7.     汗っかき。
8.     ソバカス・シミがでやすく、肌は赤みが強い
9.     夏より冬が好き。冷たいジュース、アイスクリームを冬でも食べられる。
10.   食欲は旺盛。胸焼け、口内炎ができやすい。
11.   体温は温かい。
12.   目は鋭い。
13.   筋肉質で体に力がある。
14.   気性は攻撃的。
15.   記憶力は人並み、分析力に長けている

 

カファ

1.     子どもの頃からぽっちゃり。胸や腰が大きく太りやすい。
2.     髪は豊か。体毛はやや濃い。
3.     あちこち動き回るより、じっとしてる方が好き。
4.     他人に対して自分から積極的に話し掛けることはあまりない。
5.     物事へのとっかかりは遅いが、最後までやり通す方。
6.     口調はゆったり。食べる、歩くもゆるやかタイプ。
7.     肌はなめらか。色白な方。
8.     顔や手足がむくみやすい。
9.     寒さには強い方だが、暖かい場所や食べ物が好き。
10.   どこでも熟睡できる。昼寝も好き。
11.   目はぱっちりと大きい。
12.   体力的には、特にスタミナには自信がある
13.   便通は安定して快便
14.   一つのことに執着しやすい
15.   物覚えは良くないが、覚えたら忘れない

 

花の写真

 

3つのドーシャの特徴とバランスを乱す要因・整える方法のまとめ

 

下の表を参考に、チェックした自分の体質から、ふだんの自分の生活をふりかえってみてください。バランスを乱す要因は、逆にその体質の人がはまりやすいことでもあります。

バランスが崩れると心身の不調につながりやすいので、生活の中で少し意識してみるといいと思います。自分の感覚を大事にできるかがポイントかもですね。

なお、2つの体質がともに強い場合は、両方の傾向を見ておく必要があります。また、3つのバランスがとれているサマ体質の場合、比較的ドーシャは乱れにくい(が、乱れると大きくバランスを崩すことがある)と言われます。

 

 


ヴァータ体質

傾向

風のように軽やかな心と体を持つ。

活発で豊かな感性を持ち、物事をスピーディに運ぶのが得意なタイプ。ただし、心身ともに不安定になりやすく、疲れやすい性質を持つ。

バランスを乱す要因

○情報過多、考えすぎ、冷え、乾燥

不規則な生活
激しい疲労を伴う活動
生活環境の大きな変化、旅行
騒音、長時間のパソコン、テレビなどの過剰な刺激
睡眠不足、夜ふかし
体が風にあたり冷えた
常に緊張する環境
不安や心配の種がつきない
大きな悲しみや恐怖で衝撃をうける
コーヒーの飲みすぎ

強くなりすぎた時バランスを整える方法

○ゆったりとした休息と温かくうるおいのあるもの。

規則的な生活、香りや音楽でリラックスすることを心がける。

食事は温かいものや、水分・油分をある程度含んでいる消化のよいものを食べる。

甘味・塩味・酸味を多めにとり、辛味・苦味・渋味を控える。

入浴など体を温かく保つ。雨や雪で体を冷やしたり風があたらないように注意する。

特に寝る前は、騒音をさけ、静かな環境ですごす。

夜、早めに眠り、朝の日の光を浴びる。

 


ピッタ体質

傾向

火のように情熱的かつ積極的で完璧主義者。

体力があり、頭の回転も早く、目的を決めたらやりとげる。

一方で、イライラしやすく、攻撃的になったり、ヤケ食い、ヤケ酒に走りやすいので注意が必要。

バランスを乱す要因

○熱、ストレス(イライラ)

競争するような状況(討論、勝ち負けのあるスポーツなど)
肉、塩分などのとりすぎ
アルコールのとりすぎ
暑い環境、夏の日中日差しにあたるなど
刺激的なことにふれる (賭け事、暴力、犯罪、否定的な本や番組)
イライラや怒りが生じやすい環境にいる 、またそれらの感情を抑えている
知的作業におわれて物事を批判的に考える
思い通りことが運ばない

強くなりすぎた時バランスを整える方法

○熱を冷まし、ストレスや興奮を解消させる。

がんばりすぎない、日中の活動は特に暑い時期には少し控える。

水分を十分にとり、果物や野菜を適度にとる。

辛くて刺激のある食物を避ける。アルコール、塩分の取りすぎに注意。

闘争的なこと(討論、刺激的なTV番組、競争など)を避け、穏やかにすごすことを心がける。

合理的に考えて計画を立てる。イライラせず、しっかり休憩を入れて余裕を持つ

自然に触れ、涼しい環境で熱した体を冷ます。

 

 


カファ体質

傾向

大地のようにどっしりしており、おっとり、マイペースで根気強い。

落ち着いた印象を人に与え、温厚で愛情が深いタイプ。反面、(過去にとらわれるなど)一つのことに執着したり、自分の殻に閉じこもってしまう面も。

バランスを乱す要因

○刺激不足、冷え、湿気、執着

梅雨時期
食べ過ぎ、甘いもののとりすぎ、体重の増加
朝寝坊、昼寝、いつもごろごろしている
家の中にものがあふれている
生活のマンネリ化
人の意見をまったく受け付けない、またはすべて受け入れる
心が一つのことにとらわれてしまいいつも気になっている
すべてにおいて執着が強い状態(所有、思考、節約など)
自分を過小評価する環境

強くなりすぎた時バランスを整える方法

○心を高揚させ、体をシャキッとさせる。

寝すぎや昼寝をしないで、日中は活動的になるように心がける。散歩や適度な運動をする習慣を身につける。

早起きを心がけ、入浴などで体を温める。

食事は冷たいものや油っぽいものは避け、食べ過ぎに注意する(特に甘いもの)。

スパイシーなものを適度に。

物をためない、心も体も定期的に大掃除する(思いっきり笑う、泣く、日記をつけるなど感情も外へ出す)。

人に認めてもらい、やさしくされる。生活に変化をつける。

 

参考文献

綿本彰(2005)『ヨーガとアロマで調える体質別気持ちいい暮らし方』 枻出版社

ヨーガとアロマで調える体質別気持ちいい暮らし方

アーユルヴェーダの体質を7つの動物に例えて、非常に分かりやすく解説。バランスを整えるためのさまざま方法とヨガのポーズなども記載。いい本です。

 

高橋和巳 (1995)『アーユルヴェーダの知恵―蘇るインド伝承医学』 講談社現代新書

アーユルヴェーダの知恵―蘇るインド伝承医学 (講談社現代新書)

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